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スーツとは、上下で1セット

まず、スーツは、suit〔英:ひと揃い、組、服 etc.〕といった意味を持つ言葉のとおり、ジャケットとパンツの「上下で1セット」が基本的な考え方です。

そう、スーツとは、由緒正しきセットアップスタイルの一種なのです。

これは昨今、カジュアル化の中で勢力を伸ばしてきている「ジャケパン」と対になる考え方といえますね。

 

ビジネスコーデを考えるとき、「ジャケットの色と…パンツの色が…」と考えるケースが多いと思うのですが、それはあくまでもジャケパンの考え方。スーツは上下セットなのです。

スーツジャケット単品を、羽織ったりするのは微妙・・・

スタイルのカジュアル化が進んでいる今日。ドレッシーな服装にカジュアルアイテムを合わせたり、カジュアルな服装にドレッシーなアイテムを合わせたりで、ドレス・カジュアルの度合いを調整するシチュエーションが増えたことと思います。

そんな中で、スーツの運用には1つ気を付けたいポイントがあります。

それは、スーツのジャケットを単品で別のコーディネートに合わせるのは非推奨だということ。

これは、スーツジャケットが「スーツが上下で1セット」という考えに基づいてスーツが仕立てられているため。

スーツジャケットとテーラードジャケット(単品で売ってるジャケット)を並べて見ると分かると思いますが、スーツジャケットは単品で使うと結構使い勝手が悪い(丈が長い、柄の主張が強い etc.)アイテムだったりするんですね。

 

「スーツ」と「セットアップ」は、何が違う?

先程、スーツとは由緒あるセットアップスタイルの1つと紹介しましたが、実は深掘りすると少しややこしい部分があります。

セットアップとは元々、服装の上下を同じ生地で仕立てた服装を意味する言葉(=昔は、該当する服がスーツぐらいしかなかった)なのですが、セットアップの多様化が進み、微妙に異なるニュアンスを含むようになりました。

そのニュアンスの違いを含めて、「スーツ」と「セットアップ」の特徴を比べると以下のようになります。

ざっくりとした理解としては、元々はスーツ=セットアップだったものが、セットアップという概念もカジュアル化してきたという感じでしょうか。

スーツを購入するとき(選ぶとき)は、「用途」を絞る

今日、スーツを購入する際は、

  • 既製スーツ
  • オーダースーツ

の2通りの選択肢があります。

どちらを選ぶかは「お財布事情」や「着心地やサイズ感へのこだわり」で変わってくるとは思うのですが、必ず「用途」をしっかり自分の中で確定しておきましょう。

なぜならば、ビジネススーツならある程度のバリエーションがあるのですが、葬式用スーツなどには「NGのディティール」があるためです。

 

例えば「礼服」の場合、光沢のない生地ノーベント礼服用の黒(礼服用に重ね染めされていることも多い)など、満たさなければならないポイントがあったりします。

スーツの種類は全部で4種類

ここからは、スーツの種類について解説していきます。

スーツの種類は、「前ボタンの列数」という軸で2種類に分類できます。
そして、ややこしいのですが「ジレの有無」という別軸でも2種類に分類できます。

スーツの分類には、ベクトルが違う2つの軸があるのです。

これはつまり最終的に、スーツは2つの軸を組み合わせて4種類(2種類×2種類)に分類できることを意味しています。

一度に考えると混乱するので、まずは、「前ボタンの列数」という軸での分類について解説していきますね。

前ボタンの列数で分類する「シングルスーツ」と「ダブルスーツ」

スーツは、ジャケットの前ボタンの列数によって2種類に分類することができます。

前ボタンが1列のジャケットを合わせるスーツを
「シングルスーツ」

前ボタンが2列のジャケットを合わせるスーツを
「ダブルスーツ」と呼びます。

【前ボタンが1列】定番にして主流のシングルスーツ

 

ネクタイ1柄、シャツ1柄、かなり強い引用になります。

前ボタンが1列仕様のジャケットを合わせるスーツを、「シングルスーツ」と呼びます。

現在、スーツと言えば、シングルスーツが主流。皆さんも、このスーツに身を包むビジネスマンを目にすることが多いのではないでしょうか?

ダブルスーツに比べるとスリムでスタイリッシュ、軽いな印象になる特徴がありますが、これがネガティブな要因になることは皆無といっていいでしょう。

シングルスーツのボタンマナーとして、

  1. 一番下のボタンは常に外す
  2. 座るときは、全てのボタンを外す

があります。特にスーツに慣れていないと2つ目のマナーを忘れがちなので、覚えておきましょう。「キミ、ボタンをちゃんと外したまえ」なんて言われることもないとは思いますけれども、マナーですのでね。これを機に是非。

【前ボタンが2列】よりフォーマル&重厚感が増すダブルスーツ

 

前ボタンが2列仕様のジャケットを合わせるスーツは「シングルスーツ」と呼びます。

シングルスーツに比べると、よりフォーマル感と重厚感が増している特徴があります。

シングルスーツとダブルスーツとで、参加できる会議や式典に違いがでることはありません。

ただ、シングルスーツが主流の今日、重厚なダブルスーツをあえて選ぶということは、相手に対して「気合を入れてきました」「本気です」といった一種の圧になることは覚えておきましょう。良くも悪くも強い印象のスーツなのですね。

ダブルスーツのボタンマナーとして、

  1. (着ている人から見て)一番右下のボタンを常に外しておくのが基本スタイル
  2. 座るときも、基本スタイルを崩さない(シングルのようにボタンを外さない)

があります。

ジレの有無で変わる「ツーピーススーツ」と「スリーピーススーツ」

さて、前ボタンの列数という軸による分類の後は、「ジレの有無」という別軸の分類についてふれていきます。

スーツは、「ジレを合わせる/合わせない」という軸によって、それぞれ2つに分類することができます。

ジレの基本知識もおさえておこう

 

「ジレ」とはシャツの上、そしてジャケットの下に着る、この(↑)アイテムのことです。

かつて「ジレは、スーツの必需品」でした。しかし、時代の流れの中で、ジレを着ないスタイルがある意味でスタンダードにもなりつつあります。

正直、このジレを着こなすだけでも、お洒落さは3倍違うと思うのですが(当編集部比)、今回はあまりジレのことを掘り下げず、次に進みたいと思います。

ジレについて、より詳しく知りたい方は、ジレ専用記事を用意しておりますのでコチラからご覧くださいませ。>>

 

ちなみに、ジレとはフランス語での呼び方で、英語では「ベスト」とも呼びます。

今回はジレ呼びで統一していきたいと思います。

クラシックなスリーピース

 

スリーピース、ネクタイ1柄、スーツの0.5柄

結論から言うと、ジレをジャケットの下に着込んだスーツを「ツーピース」と呼び、ジレを合わせないスーツを「スリーピース」と呼びます。

スリーピースは、基本的にボタンを留めないのが基本的なマナー。そのため、
常にボタンを外さないダブルスーツとスリーピースの組み合わせ、すなわち「スリーピース・ダブルスーツ」はあまり見かけることがありません。ないことはないと思いますが。

スタンダードなツーピース

スーツは全部で4種類に分類できる・・・のだけれど

さて、スーツは「前ボタンの列数」と「ジレの有無」という2軸によって、それぞれ2種類。最終的に4種類に分類できることをお伝えしました。

具体的には——

  • ツーピース・シングルスーツ
  • ツーピース・ダブルスーツ
  • スリーピース・シングルスーツ
  • (スリーピース・ダブルスーツ)

——といった2×2の4種類です。

ただ、実際は上のリスト(↑)でカッコで囲っているように「スリーピース・ダブルスーツ」を除いた3種類として扱われるケースが多いように思います。

これは、「スリーピース・ダブルスーツ」というスーツがある意味矛盾を抱えた存在であるためか、流通量が他3種に比べて少ないのです。

 

 

何が矛盾なのかというと、スリーピーススーツは、ボタンを留めないのが基本スタイルです。一方で、ダブルスーツは、ボタンを留め続けるのが基本スタイルです。
それぞれの特徴が完全にカチ合ってしまっているのですね。

それが理由なのか、スリーピース・ダブルスーツというタイプは、あまり見かけることがありません。ゼロではありませんが、他のスーツに比べると極めて少ないようです。

スーツの印象を左右する4つのポイント

スーツの分類で既に「前ボタンの列数」には触れましたが、他にもジャケットの印象を左右するディティールは存在します。

  1. 全体の印象を左右する、生地の柄
  2. 正面の印象を左右する、下襟(ラペル)
  3. 後ろ姿の印象を左右する、ベント
  4. 足長効果&ブリティッシュになるチェンジポケット

スーツ全体の印象を左右する「生地の柄」

 

「無地」か「ストライプ」か、それだけの違いですが、スーツの印象は様変わりします。

主に、スーツに用いられる生地は「無柄」「ストライプ」「チェック」の3種類に分けることができます。

スタンダードにして万能の「無柄」

基本にして王道の「無柄スーツ」。現代社会においては、少なくとも1着は持っておきたい“男の戦闘服”と言えます。ちょっと古臭い価値観かもしれませんが。

ビジネス色が強い「ストライプ柄」

スマートさや知的な感じがUPする「ストライプ柄のスーツ」です。
ここでは「ストライプ柄」という言葉で一括りにしてしまいますが、ストライプ柄はとにかく数が多いです。

ただどんなストライプ柄であっても「ストライプの主張が強くなるほど(太くなる、色がつく etc.)カジュアルになる」という点を覚えておきましょう。

カジュアル色が強い「チェック柄」

今回紹介するスーツの中では一番カジュアルなのが「チェック柄のスーツ」。
正直、ビジネスシーンで着用するにはカジュアル過ぎるように思うため、パーティで着用したり、お洒落な勝負服として運用したりする扱いが無難なのではないかと思います。

スリーピーススーツの3アイテムが、同じチェック柄で統一されている時の「お洒落感」は格別です。

首回りの印象を決める「下襟(ラペル)」

 

ワイシャツでも首回りの襟(カラー)は重要なポイントですが、それはやはりジャケットについても同じこと。

スタンダードな「ノッチドラペル」

よく見かけるこのタイプのラペル(↑)を、「ノッチドラペル」と呼びます。

V字型の刻み目・切り目を意味する、ノッチ〔英:notch〕という言葉通り、V字の切れ込みがあるように見えるのが特徴です。

シングルスーツとの組み合わせで採用されることが多いタイプですね。

よりドレッシーな「ピークドラペル」

 

ダブルスーツとの組み合わせで採用されることが多い、このタイプ(↑)を「ピークドラペル」と呼びます。

尖ったを意味する、ピークド〔英:peaked〕という言葉の通りの見た目をしています。

もともとはタキシードスーツに用いられていた意匠が、ビジネススーツにも採用されるようになり現在に至ります。

タキシードの系譜ということで、華やかでありドレッシーな印象になるのが特徴といえるでしょう。

 

この女性用ジャケットの下襟は「セミピークドラペル」と呼ばれるタイプです。ピークドラペルほど尖ってはいませんが、ノッチドラペルよりも角度がありますね。男性のスーツに使われているのは稀で、オーダースーツの選択肢にないこともしばしば。

ジャケットの後ろ姿をキメる「ベント」

「デキる男は背中で語る」なんて言葉もありますので、ジャケットの背中もしっかり考えておきたいところ。

ジャケットの後ろ姿の印象を左右するのは「ベント」と呼ばれる切れ込み(スリット)です。

このベントはジャケットの着脱をサポートするために入れられた「機能性重視」のディティール。
そのためこのベントはない方がフォーマルになることを覚えておきましょう。

スタンダードな「センターベント」

背骨に沿うように切りこみが1本入っているタイプを、「センターベント」と呼びます。

多くのビジネススーツが採用しているタイプで、強いこだわりがないのであれば、このセンターベントを選んでおけばビジネスシーンは何も問題ありません。

機能性とクラシック性をUPした「サイドベンツ」

ジャケットの側面に2本の切れ目が入っているタイプを「サイドベンツ」と呼びます。

クラシックテイストのスーツに見られる意匠の1つで、センターベントと比べると、着脱の機能性が向上しつつ、フォーマルな印象に少し寄っていきます。

格式高さに全振りしている「ノーベント」

切れ目がないタイプを「ノーベント」と呼びます。

ベントがなくなったことで「着脱のしやすさ」という機能性は低下しますが、その分だけ格式高さやフォーマル感がUP。冠婚葬祭との相性が◎といえます。

脚長効果も期待できる、チェンジポケット

 

「チェンジポケット」とは、ジャケット右腰ポケットの上についている2つめの小さいポケットのこと。チェンジ〔英:change〕は、「小銭」の意味のことで、要は「小銭ポケット」です。

小銭を入れられるという機能以外にも、ポケットの位置が上がることで、脚が長く見える(厳密には腰の位置が高く見える)という効果があります。

イギリススーツジャケットに良く見られる意匠なので、クラシックな印象になるというのも見逃せません。

なお、チェンジポケットとフォーマルシーンの愛称ですが、控えめな恰好が善しとされる「葬祭」にチェンジポケットのスーツを合わせるのは止めておきましょう。

おすすめのスーツ・セットアップ4選

ここからは、おすすめのスーツ・セットアップを紹介していきます。
ネットスーツを購入するのは、なかなかハードルが高いですが、情報収集ということで、実際にスーツを購入するときの参考にしてもらえれば嬉しいです。