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膝サポーターとは?なぜ装着するの?

膝サポーターは、装着することで膝を固定し、膝関節の働きを助けるアイテムです。
体重を支える役割を持つ膝関節は、全身の関節の中で最も負担がかかり、それ故に痛めやすい部位でもあります。そこを固定することで、過度な動きの抑制衝撃の吸収関節の動きを助ける役割を果たし、痛みの緩和や膝への負担の軽減につながります。
バスケットボールやバレーボールなどのジャンプを多用するスポーツする方や、膝関節が劣化し、日常生活で痛みを感じる方に使用されるケースが多くなっています。

サポーターは高齢者の方にもおすすめ

サポーターはスポーツをする方が使用するイメージが強いかもしれませんが、膝に痛みがある高齢者の方にもおすすめです。高齢になってくると膝が不安定になったり、痛みに悩まされる方が少なくありません。高齢者の方もサポーターを着用することで膝が安定し、痛み緩和の効果が期待できます。

膝サポーターに期待される効果

サポーターを着けることで膝の痛みが緩和されるのは、主に3つの作用と関係があります。

①膝の冷えを防ぐ

変形性膝関節症の痛みには、保温が大切です。膝が冷えてしまうと血流が滞り、痛みを感じやすくなります。骨折や靭帯損傷などの怪我をした場合は応急処置として足を冷却しますが、変形性膝関節症の痛みには保温、と覚えておきましょう。東京医科歯科大学の名誉教授である宗田大先生も、著書の中で「膝の痛みに対しては、保温が基本である」と述べています[1]。膝をサポーターで覆うことで、冷えを防止しましょう。サポーターには吸湿発熱素材でできているものもあるので、保温を重視したい人は素材も確認してみるといいかもしれません。

②膝を安定させる
変形性膝関節症は、進行する過程で軟骨がすり減っていく病気です。軟骨がすり減ることで膝に痛みを感じるようになり、痛まないように膝をかばうことで筋力が低下します。そうすると膝関節が不安定になり、歩行時にぐらつくようになってしまうのです。サポーターで膝をしっかり固定することで筋肉の代わりとなり、安定した歩行が可能になります。また、膝関節が安定することで、膝にかかる負担も軽減され、変形性膝関節症の進行の抑制にも効果的です。

③触圧覚を刺激する
触圧覚(しょくあつかく)とは、皮膚に何かが触れたり圧力が加わるような刺激に対する感覚のことです。触圧覚は、痛みを感じる痛覚よりも早く脳に伝わると言われています。変形性膝関節症で歩行時に痛みを感じるような方は、サポーターで触圧覚を刺激することで、痛覚の反応を遅らせ、痛みを感じにくくなることが期待されます。ただし、強く圧迫しすぎてしまうとうっ血してしまう可能性があるので、きつくない程度に、ゆったりと加圧するようにしましょう。

変形性膝関節症になったらサポーターを使用すべき?

変形性膝関節症は進行性の疾患ですが、適切な治療によって進行を遅らせることは可能です。その中心となるのが運動療法[2]

変形性膝関節症の方は、運動をしないでいると炎症が悪化し、痛みが増すことがわかっています[3]。しかし、膝の痛みや動かしにくさがあると、運動に対してなかなか前向きになれず運動不足になってしまうことも少なくありません。すると膝を支える筋力が低下したり、体重増加で膝への負担がさらに多くなり、痛みが増幅してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
そのような場合は、膝のサポーターを着用し、積極的に運動を行っていくことで、変形性膝関節症の進行を遅らせ、好循環を作ることができるのです。

正しい選び方

そうはいっても市販されているサポーターの種類も多く、どのように選んでいいのかわからない方も少なくないと思います。そのような場合は下記の2点を参考にしてみてください。

①医療用、スポーツ用など用途に合ったものを選ぶ

サポーターは、大きく日常動作補助タイプ保温タイプ高通気タイプ加圧タイプと用途が分けられています。
どのようなときにサポーターが必要か、ご自身の生活スタイルを考えて選ぶのが良いでしょう。たとえばスポーツの際に使うサポーターは、通気性がよく膝の曲げ伸ばしがしやすいストレッチ素材のものがおすすめですが、変形性膝関節症のように不安定な膝を支えたい場合は、膝の動きをベルトでしっかり締め、安定させるようなタイプのサポーターを選ぶ、などです。
ただし、ひざ専用でも変形性膝関節症のための商品とは限らないので、その点はご注意ください。

②使用感の良いものを選ぶ

用途に合っていても、大きすぎたり小さすぎたりすれば効果は弱くなってしまいますし、着けていて不快感があれば継続的な使用ができなくなるかもしれません。必ず、ご自身に合っていると感じるものを使うようにしましょう。
サポーターの用途と使用感の2つに問題がなく、十分に役割を果たしていると思われる場合、価格やデザインは不問ですし、変形性膝関節症専用のものである必要もありません。

サイズのはかり方
正しいサイズのサポーターを選ぶ為に、まず自分の膝のサイズを測りましょう。服のサイズ表記と同じ感覚で選んでしまうと合わないと感じることがありますので注意が必要です。
※製品によって測り方が指定されている場合はそちらに従ってください。

①椅子に座って軽く膝を曲げる。
②膝頭の周囲にメジャーを回して測る。
③対応サイズが表記されている商品を選ぶ。(〇cm=Sサイズ等)

種類形状
膝サポーターの形状は「筒状のもの」「ベルト状のもの」に分かれます。
筒状サポーターは足から入れて膝の位置まで上げて装着するタイプで、固定する力は劣るものの、保温力や付けやすさが大きな魅力。また、リーズナブルな価格のものが多かったりすることも特徴です。一方でベルト状サポーターは、ベルトのように巻いて使用します。締め付け具合を調整することができ、比較的強めに固定することができます。

膝サポーターのデメリットと注意点

サポーターをつけることでデメリットが生じることもあります。
変形性膝関節症の程度は人それぞれです。サポーターをしても膝の痛みが強く運動がつらい場合は、一度中止して医療機関に相談しましょう。また、サポーターを使用しても効果が感じられない、使用前より痛みが強くなった、という場合も使用を中止し、医療機関に相談されることをお勧めします。

デメリット

他の部分への負担が大きくなる
膝は歩いたりしゃがんだりする時に衝撃を分散させる役割を果たします。そのため膝を固定してしまうとかえって他の部分に負担がかかるようになってしまい、足首や腰など、他の部位にも痛みが出てくる場合もあります。

筋肉の衰え
ひざが痛むからと長期にわたり使用していると、足周りの筋肉が衰えてしまいます。サポーターに頼り切らずに適度な運動をすることも大切です。

注意点

締めすぎに注意
しっかり膝を固定するためにサポーターを締めすぎてしまうと、圧迫痛やうっ血を引き起こす可能性があります。サポーターは締めすぎに注意し、着用時はきつくない程度にゆったりと加圧するようにしましょう。

傷や湿疹がある場合は使用しない
膝の周りに傷や湿疹などの異常があるときは、症状が悪化する可能性があるため、サポーターの着用を控えましょう。サポーターの着用によって皮膚にかゆみなどの異常が出た場合は使用を中止し、医療機関に相談してください。

あくまで治療の補助としての使用を推奨

最後に、サポーターを使っても変形性膝関節症が治るわけではない、ということにはご留意ください。サポーターの装着自体は、治療とは言えません。目的としては、運動療法を行える環境を整え、変形性膝関節症の進行を遅らせるために必要な筋肉を衰えさせないこと。あくまで補助として使用するようにしましょう。
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